vol.31 ジョンソン・エンド・ジョンソン

あるものを活かす研究

バンドエイドでお馴染みのジョンソン・エンド・ジョンソン。

医療機器、衣料品、消費者向け製品を手掛けている会社。

「我が信条」(Our Credo)という会社の指針がはっきりしており、「誰にお役に立ちたいのか」がとても明確です。月刊致知にもその旨の内容が掲載されていました。

「ジョンソンエンドジョンソンは、バイクリルという一定期間経過すると体内に吸収され、消えてなくなる手術用縫合糸を開発しました。術後の抜糸をするためだけに再び開腹するのは患者さんへの負担が大きい。何とかこの問題を解決できないかと考えて、開発されたのがバイクリルです。ある時、何も営業していないのに、食肉加工メーカーから毎月巨額の注文を受けるようになりました。ハムを作る際、お肉を縛る意図にバイクリルを使用すれば、糸を取る工程が省けて大幅なコストダウンになるため、重宝されていたわけです。ところが、ジョン祖年度ジョンソンは非常に儲かっていたバイクリルの事業を丸ごと売却しました。なぜか。報道陣の質問に対してこのように答えています。『今、多くの国の食肉加工メーカーから注文を頂いていることはありがたい。だが、取引金額が増えるほど、社会的責任もまた重くなる。やがてメーカーごとに特注の依頼が発生し、それに応えざるを得なくなるだろう。しかし、われわれの本来の顧客は患者さんだ。患者さんのためにわれわれは存在し、事業を行っている。食肉加工メーカーの特注の依頼に応えることは、その分だけ患者さんに応える時間と労力を削がれることになる。』顧客を明確にすることの重要性をこの言葉に見る思いです。」

(致知2018.2月号40ページ)

 

「自社の顧客は誰か」がはっきりすると、無駄を省け、エネルギーの集中ができます。

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